ヴェルルのアトリエ

ポケモンというゲームをダブルバトルというルールを中心にプレイしている者です。一人でも多くのダブルプレイヤーを目指す人の役にたてたら嬉しいです。

ダブルバトル入門編 その6

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あなたと私で勝負をしましょう。ルールは簡単。お互い数字を最低1、最大3カウントしていく。ただし、50をカウントしてしまった者は敗北する。先行と後攻を選ぶ権利はあなたに差し上げます。さて、あなたはどちらを選びますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

先行を選んだ方。おめでとう、あなたの勝利です。仕組みを知っている方も多いですよね。

ということでどうも中の人です。こんなゲームありましたよね。名前は忘れましたがね。

本日はポケモンバトルにおいて非常に重要な素早さというステータスがダブルバトルというルールでどれ程セットとして考える事ができるかの説明です。

突然ですが、ダブルバトルエルフーンが強いと言うのはダブルバトルをしている人がなんとなくで説明する時に言う言葉ですが、なぜエルフーンが強いのかは知っているでしょうか?散々あの画像を出してきたのでうんざりかもしれませんが、“おいかぜ“という技で味方をサポートするのが非常に強いのですが、他にも“すなかき“や“ようりょくそ“等の自身の素早さを2倍にする特性や、素早さを逆転させるトリックルーム。特性“じょうききかん“で素早さを4倍にするなど、現在のダブルバトルでは素早さを重視するコンボが多いです。逆に、マスターランクでもこの素早さを軽視し、パーティのパワーが下がっている人がいるのも事実です。ではなぜ素早さというたった1つのステータスを軽視しただけでパーティ単位でパワーが落ちるのか、なぜダブルバトルではこのようなコンボが流行しているのか。理由は簡単、先に動くという事が非常に重要となるからです。

以前ダブルバトルでは1匹が役割を遂行できるかどうかでパーティが半壊する可能性もあると書きましたが、その遂行できるかできないかに大きく関わるのが素早さです。

簡単な話、動く前に倒してしまえば相手がそのターン動かせるポケモンは1匹減る訳です。しかもポケモンの数も減るので倒された側は不利を背負うことになります。それが本来の役割対象の相手に倒されたら更に大変な事になります。

わかりやすい例としてはコータスドリュウズドサイドンリザードンのような本来弱点をつける遅いポケモンと弱点をつかれるが逆に弱点をつける関係です。コータスとしては、鋼を持つドリュウズにどうにか痛手を与えたい。しかし、地面タイプは炎タイプに効果抜群なので残念ながらコータスドリュウズへの役割対象としては足りません。ドサイドンリザードンに有利に見えますが、リザードンソーラービームを覚えるので苦手な特殊草技を正面から受ける可能性があります。このような素早さと覚える技によって変わる相性があるのは皆さん覚えて頂けていますでしょうか?

理解しているだというのがどこからなのかという疑問は残りますが、これを戦術として活用できる事が望ましいです。コータスドサイドンならトリックルームが有効。逆にリザードンならおいかぜによるサポートができますし、ドリュウズはすなかきを発動させれば素早さに補正がかかります。相手にこれらを使われた時、どのように対処すべきかはまたの機会でお話しますが、ひとまずこれらの戦術が無策で戦うにはとても大きな脅威である事は伝わったでしょうか?

ダブルバトルでは1対1の戦いではなく、同時に4匹が戦うルールですので、相手の右のポケモンが役割対象だが、相手の左のポケモンは逆に自分を役割対象としていて、素早さも負けている可能性が高いという事もあります。つまり素早く、なおかつ相手を倒せる火力のあるポケモンは相手の戦力を削ぐ攻撃的一面と味方を相手の攻撃から守る防御的一面を同時に内包していると言えるでしょう。攻撃は最大の防御とはよく言ったもので素早く、火力のあるポケモンは選出の時点で相手を縛ることができる強力な守備的存在です。
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前回似たような話をしましたのでもう一度あの画像を見ていただきますが、ローブシンバンギラスを倒したい。しかしトゲキッスが睨みをきかせていて、上手く遂行できるかわからない。しかも耐久振りのトゲキッスの場合、ゲンガーのダイアシッドも耐えられてしまう。前回はさらっと流しましたが、この対面はかなり難しく、ゲンガーでトゲキッスを倒せなかった時のリスクは大きく、逆にゲンガーでトゲキッスを倒せた時のリターンは大きい訳です。ちなみにトゲキッスがCS252のような耐久を捨てた型でもなければ割と耐えます。ダイアシッドやダイナックルの辛い所が出てしまいましたね。そしてCにあまり振っていないトゲキッスでもダイマックスしていないHに252振っているローブシンは落とされます。ダイジェットであれば、ゲンガーは抜かれるので返しのターンにゲンガーが落とされる可能性も高いです。素早さだけあっても火力がなければ意味がないと言いたくなるときの典型的パターンです。ゲンガーの火力は低い訳ではないのですが、ダイアシッドの話をすると変わってしまうのが非常に残念ですね。

これを理解していれば、ローブシンをそのまま出しておくのは危険だというのがわかるので、動きは自ずと制限されます。理解していなかったとしてもそのままローブシンを失いバンギラスを処理できなくなるだけなのでどのみち変わりません。

このようなジレンマを解決するためにはじめから素早いポケモンをエースとする、または何かしらの要因で素早さに補正をかける等の手段で素早いポケモンをつくる。というのが素早さが重要視されている答えの1つです。シングルバトルでも伝わる表現にするなら抜きエースというやつです。ダイマックス環境の今、この抜きエースは絶大な力を持つ事ができ、素早さだけでなく耐久と火力を得る事で文字通り蹂躙するような形になってしまう試合も少なくありません。最近のシングルバトルでは、初手ダイマックスが強いのか弱いのかという議論がされていますが、ダブルバトルにおいては少なくとも弱くはないと言えます。後手に回るダイマックスが弱いだけでターンが経過した後のダイマックスが弱い訳ではないのですが、初手からバンギラス+ドリュウズで出されドリュウズをしばらく止める事ができなかっただけでなく、ドリュウズを止めようとダイマックスしたのにドリュウズバンギラスにあっさり倒されてしまったなんて事を経験した方もいると思います。事実、マスターランクですらそのようなプレイで中の人の心をウッキウキにしてしまう人がいました。

では素早い利点が相手を倒し、味方や自分を守る事ができるという部分だけなのかと言うとこれも違います。相手より速く動けるという事は相手より多く追加効果や急所の可能性を得る事ができる事でもあります。
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どういう事かと言うと、例えばドリュウズとダイオウドウを思い出してください。どちらもアイアンヘッドを使えるポケモンですが、アイアンヘッドの追加効果は3割で相手を怯ませるというものですが、怯み効果は使用ポケモンが先制しなければ発生しません。つまりダイオウドウではアイアンヘッドで相手を怯ませる可能性すら生まれません。これだけでも素早さと追加効果がどれほど密接かわかるかと思いますが、これだけでなく火傷や麻痺のような状態異常もより速く動き、より多く攻撃できた方が引ける可能性が高いのは当たり前と言えば当たり前の話です。これを試行回数と呼ぶ事が多いと思います。

試行回数とは何か。とりあえず辞書引くのはめんどくさいので、ネット検索してみます。試行とは偶然現象を人為的に引き起こしたり実験をしたりする事を言います。これを行った回数を試行回数と呼ぶのですが、追加効果や急所は偶然現象と呼べるので当然回数が多い方が得をできます。

先行と後攻を決めてお互いにダイスを振る。先に12以上に到達できた者を勝者とするルールで有利なのは当然先行です。これをゲームとして成立させる場合は後攻はダイスを2つ振る等の追加ルールが必要な訳ですが、ポケモンの追加効果にそのような保証はなく、絶対的に先制できる方が試行回数を稼げて強いです。

運も実力のうちとは同じ試行回数で明らかに都合の良い確率が片方に傾いている時に使う言葉ではなく、より多くの試行回数を稼ぎ確率に愛されるよう動く者は運だけで動いているのではなく、絶対的な実力と思考によりその結論に近づくよう式を組み立てている。という言葉を簡略化して伝えるための言葉です。

運がないと嘆く前にもしあなたが科学的根拠や確率という数字を愛する者ならパーティ全体の素早さを見直すべきですし、もしあなたが霊的現象や神の行いを愛するならお祓いに行ったり風水に気を配るべきです。

少々厳しい物言いかもしれませんが、運という考え方を否定する気はありませんし実際運によって勝敗が決まる事は珍しくありません。ORAS時代に5試合連続でれいとうビームから氷状態にされた時は流石にやめたいと思いました。しかし、全てを運という不確定要素で解決するのは勿体無いと僕は思っています。少なくとも試行回数が関係するものはこのような解決する事もできます。

とまぁ、このくらいで伝わったんですかね?パーティを構築したときにパーティに高速アタッカーがいないというのはポケモン初心者が狙ってないのにいつのまにかなっていたというやつです。勿論サイクル重視のパーティであればそのような組み合わせも大いにありなのですが、問題は狙ってないのにそうなった時。本人は問題があると思ってないのでかなり深刻です。まぁこれはダブルバトルだけの問題ではないのですが。

そんなこんなで終わります。またお会いしましょう、バイバイ